zardにはまる日々(2)

zardを聴き続けてよく思うことだが、彼女の歌い方や曲想が年代によってかなり変わってきていることだ。彼女にとって売り上げがピークだった1993年までは、声を張り上げるダイナミックな歌い方が主流になっていた。94年度の前半はロック色を前面に出してその路線を継承しつつ、後半から95年にかけてしっとりした女性的な歌い方に移行していった。96年に93年度の「負けないで」を彷彿させる「マイフレンド」が出たと思ったら「心を開いて」という癒しの歌が出たりする。97年には円熟味が一層増し、スケール感のある名曲「永遠」がリリースされる。98年はプログレっぽい難解な詩の「この涙星になれ」で一驚に伏す。こうして見てみると、これだけ長くzardが支持されてきた理由には路線が決してワンパターンにならずにいろいろな方向性を打ち出してきたからだろう。それぞれが違った趣をかもし出しつつ十分に聴き応えがあるというのは非常に驚くべきことだと思う。