随筆1

自分と他者との違いいついて。他者への思い。
人間は、自分以外の対象をどうとらえて、それらについてどう行動し、どう感じ取るのか。僕の立場から言わせてもらう。大多数の人たちの陥りやすい状況はこうだろう。
自分を他者と比較するための尺度をまず求める。それは例えば学歴や会社の中での役職だったりする。そのランクの中で自分を高い位置につかせ他者への優越性を実現しようと意図する。そしてその優越性の中に安住の地を求める。この場合、人は他人の自分への評判が大変気になる。賞賛や人気により自分をより大きく見せられるからだ。自分の虚像を作るのに熱心になるのだ。実像と虚像との間のギャップは大抵大きくなる。そして虚像を自分自身と誤認することで大きな満足を得ているのである。この人たちはあくまでも自分はすぐれた人物であり、主役なのだと感じることに熱心になる。他人の評判、地位といった類のもの程、実は頼りないものはないということに気がつかない。真理はこういった移ろいやすいものにはなく、もっと確かな考えの中にある。こういう状況に陥った人々は本当の喜びを人生に見出すのは不可能であろう。しかし、残念なことだがその虚像を求めるべく行動せざる得ないのが現状のようだ。そして、その地位を獲得すると今度は何を求めるのだろう。次にさらなる評判を求めるのである。自分の意のままになる人間。そうイエスマンである。ここまでくると、だいたい救うのは難しいのである。この状況はあらゆる場面で見受けられる。人の集まる場所には必ず見られるといっていいだろう。