リピート2

誰もが美人は得だと思うことだろう。果たしてそうは単純なものではなく、性格はいたって普通なのに外見的な美人というイメージのために敬遠されることも多いのである。美人のイメージとは、「高飛車」「わがまま」「性格ブス」といったところか。そして百戦錬磨な悪い男の餌食にもなりやすい。しかし景子はそういうひどい男にひっかることはなかった。景子は孤独だったのだ。表情がいつも硬く、笑顔をめったに見せない。対人恐怖症で人見知りが激しいのである。よってなかなか人に対して心を開けないのだ。そんな彼女にとって洋子はたった一人の友人だ。とはいってもそんな洋子にも全てをさらけ出しているわけではない。彼女は常にどかに壁をつくってしまう。自分のことで精一杯で他人を思いやる心の余裕もない。内向的で悲観的な自己チュウなのだ。彼氏もできてはすぐに、そんな彼女の性格にいやけがさして去っていってしまう。彼女はそんな自分を理解してくれるやさしい男性を常に求めていた。常に悲観的で自棄的になることもしばしばだ。そんなときは悪いとは思っていても、夜の繁華街に一人赴き通りすがりの男性に声をかけられることを期待してバーやクラブをブラブラすることもしばしばだった。そんなときは彼女は精一杯のお化粧をして派手な色の洋服に身を固める。明るくみせるために髪もアップしてネックレスにハンドブレスをして普段の自分の地味さを覆い隠そうと身をきるような努力するのだ。そんなことをしていれば、たださえ美人で目立つのに酔いの回った男が声をかけないわけがない。危ない誘惑が常にひしめいているそんな状況だ。しかし景子は自分の身に危険がふりかかりそうになったときの行動は実にすばやい身のこなしなのだ。