ブラザー・サン・シスター・ムーン

 ブラザー・サン・シスター・ムーンという映画。この映画に深い思いいれがある。私は中学2年のころに突然心境の変化が生じ、道徳とか宗教に興味を持ち始めていた。聖書を買ってきて一人で読んでみたりもした。そこには祈り方が書かれていたので、書いてある言葉を独唱したことがある。毎朝土曜日の朝にやっていたテレビ伝道番組を見たりもしていた。神とは本当にいるのだろうか?その頃それは私の一番の関心事であったわけである。そんな心境の変化が襲ってきたころにテレビでの映画番組の中でやっていたのがこの「ブラザーサン・シスタームーン」だった。ものすごい衝撃を受けたのと、映画を見た後しばらくは映画の中の歌のワンフレーズである「ブラザーサン・シスタームーン」の歌声が頭から離れなかった。その頃はビデオなどない時代だったので、私はその後その映画を見る機会はなかった。若干14歳の少年だった自分がなぜこの映画にそんなに魅せられたが今考えるととても不思議な感じがする。私は中学3年の頃に自主的に自宅の近くの教会に行ったことがある。そこではあの映画のような純朴は人たちが集い来る美しい光景を思い浮かべていたが、期待は大きくはずれた。人生に疲れた人たちが多く来ており、私は招かれざる客のような扱いを受けたように感じた。そこの牧師もどこかよそよそしくて、全く親近感がもてなかった。私自身にもそういう雰囲気があったのかもしれないが、そこには神はいないと感じた。それから一人で聖書を勉強したり、ある程度年齢が行くと、般若心経を紐解くようになっていた。私は宗教の違いということにとらわれず、ただ単純に神の存在を追い求めていたのかもしれない。よって、宗教にとらわれず、哲学や心理学、物理学もかじってみた。そして年月が経ち大学生になったころ、世の中にレンタルビデオ屋が登場した。そこで私はまたあの「ブラザーサン・シスタームーン」に出会うことになった。ビデオを借りて何度も見た。また深夜のテレビでやっていたのをたまたまビデオで録画したのを、また何度も繰り返した見た。見ているうちに胸が熱くなって涙があふれこともあった。なんなのだろう、この感覚は。そこには確実に神がいると感じるのだ。