世界はリアリストに牛耳られる

日本だけのみらず、この世界は現実主義者(リアリスト)によって牛耳られていて、理想主義者は肩身を狭い思いをしているように思われる。仏教的に言えば、この世の中は、悪や不道徳が蔓延る末法世界とでも言うべきなのだ。この状況を象徴しているようなことが最近起こった。ある一政府による、憲法違反立法の成立と民主主義の崩壊である。現実主義は決して悪というわけでもないように考えられているが、私はそうは思わない。特に伝統的現実主義は最悪である。この考え方は理想を現実という低レベルの状態に落とし込もうとする考え方なのだ。理性ある我々人間は現実を理想に引き上げることを念頭に置くべきなのだ。人間性悪説であるこの現実主義がまん延すると世の中には腐敗と不正が当たり前の世界となる。今回の政府の判断は正に全世界の状況(特にアメリカ)を俯瞰して決めたとのことだろうが、大半の国民の意見を無視して、立憲主義を捨ててしまった。これでは、政治家の資格を捨ててしまったと言ってよいだろう。立憲主義は確かに理想だが、これは理想とはいっても法治国家においては必要最低限の要件だろう。アメリカに向いた政治は確かに潰されないで済むかもしれない。でもこれでは、魂を売った政治屋ではないか。自民党議員は全てそうである。非常に悲しいことだ。